都会の片隅でひっそりと営業する古書店。およそ1か月おきの深夜12時に6人の男女が読書会のために集まり、指定された1冊の本について感想を語り合う。ジャンルとして海外文学、絵本、時代小説に詩集あり。そこまでは想像の範疇だったが、最後の2人いや正確に言えば1人に関して完全に虚を突かれた。
さて読書は基本的に一人で完結するものである。だからこそ他人と内容を共有・吟味することは刺激であり、そこに付随する会話や談笑は知的交流として印象に深く残る。本作における読書会にも休憩所、避難所など幾つかの役割を見出せるが、本について語り合う集まりが友人とも違うが、かと言って知人と呼ぶには白々しいレベルの交流にまで到達していることがうなづけた。
と言うのも不要不急の外出に自粛が求められていた数年前、私は流行の間隙を縫い読書会を対面で開催していた。主宰者としてオンラインではない実際の対面は、不急ではあっても不要ではないと感じていた。さらに言えば不急だと言って、会うことを先延ばしし続けると人間関係のつながりはいつのまにか不安定になる。日々の暮らしに余裕がなく読書会を休会していたが、ここらで再開してみようかと思う。